オンナの生き様

ジャズとクラシック、ジャパニーズポップス、歌謡曲をミックスさせたような雰囲気のある、大好きな女性歌手がいる。
気だるそうにバーのハイチェアに腰をかけ、バーボン片手に歌っているミュージックビデオがたまらなくかっこいい。
隙がありまくりで、完璧ではないその雰囲気が、オンナの生き様!というのを表しているようで憧れてしまうのだ。

その歌手が数年前からバンドとして活動を始めた。
好きだった歌手の形態が変わることについて、難色を示すファンもいる。
私もこれまでの雰囲気が変わってしまうのではないかと心配になってしまったが、逆にバンド演奏が加わることで彼女の描きたい世界観が濃厚になった。

ライブ映像はシュールな美しさが漂っていて、計算されていない演出がこれまたかっこいいのである。
私はメインの歌手ではなく、なぜかピアノ担当のメンバーがとても気になった。
浴衣姿でグランドピアノ前の椅子に座るひげ面のメンバー。

顔だけを見ると「ん?」と思うが、ピアノとヒゲと浴衣のバランスがグッときたのだ。
ジャズの雰囲気が色濃く出ている曲では、彼のピアノ演奏が光る。
ジャララララ!とかき鳴らす様子を見て、「この人タイプだ!」と確信した。
きっとヘビースモーカーで、酒癖も悪い。

バーで酔っ払って財布を落としてきて、ヒモのオンナの家に酔っ払ったまま転がりこみそうなタイプなのだけれども、一心不乱にピアノを弾く姿にドキンとした。
まさか、女性歌手と付き合っているということはないのかな?と頭によぎるとドキドキしてきた。
悔しいような応援したいような。

そんなファン心理。
でも、絶対お似合いだ。
気だるい雰囲気の二人がデートしているのを目撃することがあったら「洒落る二人だな〜」と思うだろう。