5歳年上の彼は、どうやら私の事が気に入らないみたい。
一緒にいるときは常にイライラしていて、何かあればすぐケンカというよりは怒られる。
長続きするはずもなく、付き合って3ヶ月くらいで彼が「別れたい」と言い出した。
私はすぐには受け入れられず、「別れたくない」と保留にしたつもりだった。
それからしばらく経っても彼から連絡は来ない。
私は別れることを了承していないんだから、まだどうにかすれば繋ぎとめられるかもしれないと思っていた。
そんななか、待ちに待った彼からの電話。でも声のトーンは低い。緊張で体が固まってしまった。
彼の気持ちは変わっていないようで、案の定改めて別れ話をされた。
というか「俺はもう別れていたつもりだったから」と言われた。更に追い打ち。
新しい彼女ができたみたい。
この電話はその報告なんだとか。何で!?私は別れるなんて認めない!つい声を荒げてしまった。
彼としては、自分からキッパリ告げたことで別れが成立していたようだ。何それ、ひどい。
でも、ここでどんなに食らいついてもきっと彼が戻ってくることはないんだろうなと、さすがに感じた。私は「もういいよ、わかった」と言うしかなかった。
こんな無責任で移り気な人、どうせ新しい女とも長続きしないよ。そんな風に怒ることで、なんとか気を晴らそうとした。
数日後帰宅するときの電車の中で、まだ心の傷が癒えていない私の前に偶然、あの彼と新しい彼女がいた。
見たくない光景。幸せそうに笑う彼が憎らしい。だけどその時ふと気付いた。
私といるとき、彼はあんなに幸せそうな顔をしたことがなかった気がするな。
心がスッと軽くなった気がした。
その後1年ほどで彼はその彼女と結婚したらしい。人には相性ってやっぱりあるんだな。
自分にもきっといい出会いが待っているはずと思えるようになった。